英国製クォードのプリアンプQUAD 34GZとパワーアンプ306。
そもそもクォードを初めて知ったのは、大学4年の頃習い始めたチェロの師、佐藤良雄先生のご自宅のレッスン室の暖炉の上に置いてあった初代の真空管のモノラルアンプでした。スピーカーは部屋の隅にGoodman製が1本だけ。一目で気に入ってしまい、それから4年後にやっと、QUAD33+303というトランジスタのアンプを購入しました。そして、今使っているのが2代目。
イギリスには小さな工場でアンプだけを作っている会社とかが沢山あります。数少ないシリーズの1つ1つの製品をずっと追求していくような姿勢です。色々な会社が色々なものをそれぞれに専門で作っていく、それが集まって調和のとれた社会、そういう社会、それがイギリス流。イングリッシュガーデンも同じ美意識で作られています。「いちめんのなのはな」に美を感じる日本人と根本的に違います。その考えというか感性が独裁を嫌い、全体主義を嫌う国民性を支えているらしいです。
QUADのアンプは、普通の人がオーディオルームとかでなく居間で自然に音楽を楽しむために作られたアンプです。誰の好みか分からない日本製のきらびやかな?幼稚なオーディオデザインと違って,こういう陶器のような質感の装置で音楽を楽しむと言うことからして,既に別世界。リビングのインテリアとしてマッチし、聴き疲れしない音作りにそれが表れています。それはともかく、このアンプの中の配線がこれまた素晴らしい職人の技です。大量生産でない、手作りに近い、心を込めて作られた作品、そういうものを長く使っていく、そういう生活に切り替えたいですね。
スピーカーは同じく英国製Celestion300WNというトールボーイ型を経て、2004年5月現在、Tannoy Stirlingを導入。チェロを中心としたクラシックの室内楽を楽しむためにセットしているので、何でも良いというわけではありませんが、私は勿論気に入っています。